お香の原料 乳香 (にゅうこう)
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乳香(にゅうこう) | |
乳香はオリバナムの名で知られ、別名フランクインセンスと呼ばれています。オリーブと同じカンラン科の木からにじみ出た樹脂が乾燥して丸くかたまったもので、樹脂は透明から乳白色へ色を変えつつ、つららのように垂れ下がり、その先端が女性の乳頭そっくりなところから乳香と呼ばれています。スーダン、ソマリヤ、アラビア半島南部の石灰質のやせ地の生息し樹高は3~5m、幹は梅の古木のようにしなやかに曲がった灌木です。樹脂はかたく透明感があるほど高品質とされています。 古代どの文明においても香木や樹脂やハーブは薫香として焚かれ、宗教儀式にはかかせないものであったようです。それは心と体を清めるものであり悪霊を払うものであり、英語のperfume(香り)がラテン語のperfumum(煙を通して)を語源にしていることからも、煙を通して神に祈り、神に感謝を捧げると言うように人と神とをつなぐパイプ役としての役割をはたすものであり又、時には祭壇に捧げられたいけにえの臭いを消すものでありました。その中で乳香は紀元前14世紀、エジプト第18王朝のツタンカーメンの墓が1922年に発見された際、出土品の中にもあり、香りを現在に残していました。聖書の中にも22回もこの乳香の名は出て来ますし、ローマ時代ネロ皇帝は妻の死にアラビアで1年間採れる以上の乳香を焚いたとされています。これらの事からも、宗教儀式には乳香が必ず用いられていた事がうかがえます。 線香には粉末にして使われ、精油はオリエンタル調の香水や男性用の香水に使われ、最近ではアロマの分野でも人気があります。
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